宮沢賢治の方言短歌 


 ちやんがちやがうまこ



夜明げには

まだ間あるのに

下のはし

ちやんがちゃがうまこ見さ出はたひと。



ほんのぴゃこ

夜明げがゞった雲のいろ

ちゃんがちゃがうまこ 橋渡て來る。



いしょけめに

ちゃがちゃがうまこはせでげば

夜明げの為が

泣くだぁぃよな氣もす。



下のはし

ちゃがちゃがうまこ見さ出はた

みんなのながさ

おどともまざり。
 



姉こがゆられ・・・

初夏の岩手路を彩る「チャグチャグ馬コ」鮮やかな馬具で飾り付けられた馬コ。背にはあねっこ姿の女性や、子どもを乗せ、シャング、シャングという鈴の音をたてながら馬方にひかれて歩いていきます。
 

子どもがゆられ・・・
盛岡市の隣、滝沢村にある蒼前神社を早朝に出発し、盛岡市内を練り歩き、昼過ぎに盛岡八幡宮に到着します。賢治は弟と一緒に「チャグチャグ馬コ」を見物したとき、この一連の短歌を詠みました。この短歌を詠んだとき、賢治は盛岡高等農林学校(現在の岩手大学農学部)の学生で、弟と一緒に盛岡市大沢川原で下宿生活を送っていました。
 

滝沢村から盛岡市へ入るところ

賢治が下宿していた付近にこの短歌の歌碑があります。祭好き、馬好きな賢治の一面を垣間みることができます。そして、方言で詠むことによって賢治の息づかいを身近に感じることができる作品となっています。


2002.6  Akemi撮影



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